【シリーズ】 新戦略を提言・日本の選択(2)
「文明の衝突」と東アジアへの傾倒 ←ブログランキング応援クリックお願いします。
民主党の外交路線と言うか、彼らの思い描く日本の将来像はオバマ米国大統領の来日時における鳩山首相の行動や、最近の小沢幹事長の発言などから漠然とながら垣間見えて来たのではないでしょうか。
オバマ大統領が天皇・皇后両陛下に招かれ、昼食を共にした時に、鳩山首相は既に日本を離れていた。東南アジアで行なわれる国際会議に出席するとの理由であったが、これは米国よりもアジアを重視していることを示したかったのでしょう。
更に小沢民主党幹事長の唐突な発言も意味深なものでした。
小沢氏「キリスト教は独善的」 仏教は称賛
民主党の小沢一郎幹事長は11月10日、和歌山県高野町で全日本仏教会の松長有慶会長と会談後、記者団に宗教観を披露した。この中で小沢氏はキリスト教に対し「排他的で独善的な宗教だ。キリスト教を背景とした欧米社会は行き詰まっている」との見解を表明。イスラム教については「キリスト教よりましだが、イスラム教も排他的だ」と述べました。
一方、仏教に関しては「現代社会は日本人の心を忘れたり見失っている。仏教は人間としての生きざまや心の持ちようを原点から教えてくれる」と称賛した。
この小沢氏の発言の真意は何処にあるのか?
キリスト教は排他的で独善的だとして、イスラム教に関してはそのキリスト教よりはマシであると述べたのです。
このニュースは意外にも余り大きくは報道されていませんが、私は白人の女性を殺して逃亡したとして逮捕された事件などから比べたらはるかに大きな影響力を持った発言であったと思います。
この発言は小沢一郎という人物の宗教的な世界観を披瀝したとしかマスコミは書いていませんが、小沢氏本人はそれでは不満だったのでしょう。より一歩自らこの発言を踏み込んで見せました。
宗教論と文明論を言った
「キリスト教は排他的で独善的」との発言が波紋を呼んでいる民主党の小沢一郎幹事長(67)が、16日の記者会見で「私は宗教論と文明論を言った」とし、撤回する意思がないことを明らかにした。
ここで初めて言及したように、この発言が「文明論」が根底にあるという本人の弁ですが、これこそが小沢氏の目指す日本における将来の国家観と言うべきものなのでしょう。
西欧キリスト教文明とイスラム教の対立を軸に今後の世界史は展開すると預言した故ハンチントン教授のことを思い出しました。
また世界にはキリスト教文明、イスラム文明の他に支那大陸・朝鮮半島に儒教文明があり、日本はその中には入らずに独自の文明圏を構築しているとハンチントン教授は述べていた。
欧米諸国は戦後日本は「西側文明圏」に含まれているとの認識です。ただ、歴史・文化などの面から見れば独自の文明にあることは間違いない。
しかし、自由・民主主義・基本的人権などの人類の普遍的価値を共に有する仲間という事ならば、これは明らかに「西側」陣営であり、戦後日本とは欧米化を志向しながら、成功を収めた国家であると感じていたと思います。
多くの日本人もそのことには敢えて異を唱えることなく、個人の自由や価値観の多様性は欧米社会の基本的なものとして受け入れていたと考えます。
確かに小沢氏の言うような排他性・独善性がキリスト教には見られます。しかし、と同時にそれを基盤として発展してきた欧米社会には、個人の人権を尊重する面はどの社会よりも強いと思います。
対して、イスラム文明が国家体制として個人の人権を尊重しているかと言えば疑問であり、文明論的には儒教文明圏とされた支那・朝鮮半島では個人の人権は蹂躙されたままです。
今回、小沢氏が「文明論」としてキリスト教文明やイスラム教文明を批判しましたが、これは恐るべきことと言わねばなりません。
ハンチントン教授は日本は独自の文明圏ではあるが、それは仲間のいない文明であり、ひ弱さを抱えていると指摘していた。もし、日本が孤立するようなことがあれば、たちまち支那大陸・朝鮮半島の儒教文明圏に取り込まれてしまいます。
今回の小沢一郎氏の「文明論」は西欧文明・イスラム文明を批判して、支那・朝鮮半島にすり寄ることを是とするような議論であると考えます。
我々はこのような日本・支那(中国)・朝鮮(韓国・北朝鮮)といった「新アジア論」ではなく、「新アジア・太平洋論」 の立場を提唱します。
現在の民主党の外交戦略は支那・朝鮮を利するだけの、極めて危うい亡国の論調と言わねばなりません。我々はこの小沢氏の発言を容認することは出来ません。
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